私は今年で看護師歴25年になりました。
こんなに続けているのなら辞めたくなったことなんて無いんじゃない?
と思っていませんか?
いえいえ。
私も何度も看護師を辞めたいと思いました。本気で辞めるつもりで師長さんに伝えた事もありました。
辞めたいと思う事は周期的にやってきて、経験年数によっても辞めたいと思う理由が違っていました。
それでは私が仕事を辞めたいと思った6選、それでも辞めなかった理由を合わせて時系列でご紹介します。
目次
1. 新人ナース・経験3ヶ月で看護師辞めたいと思った
まず最初に看護師辞めたいと思ったのは、なんと新人ナースのころ。経験3ヶ月ですでに「辞めたい」と感じていました。
実習で大体の看護業務はわかっていたのですが「白衣の天使」になることを胸に就職。次第に理想と現実のギャップについていけず、辞めたいと思うようになりました。
ゴールデンウィークの長期休みを挟んでから出勤すると、辞めたい病がふつふつと湧いてくるのでした。
結局、本当に辞めたいわけではなかった
ただし。
結局この時の「辞めたい」は、本当に辞めたいのではなく愚痴のように言っていただけなのですが。新人が辞めたいと思うのは、看護師でなく一般企業に勤めてても誰しも経験があるかと思います。
なにせほとんど自由に過ごしていた学生がいきなり社会に出されるのですから。
ここで辞めたいと思わない人はむしろ、なにかしら異常です。あまり心配しなくて大丈夫ですよ。
2. 看護師歴3年目にしてストレス過多で辞めたくなった
つぎに看護師を辞めたいと思ったのは、3年目のころ。
当時の私は異動して2年目で新人教育にあたっていたころでした。
- 新人教育、ナースステーション内での委員、研究論文のメンバーなど、許容範囲を超える仕事量を任されるようになっていました。
もともと計画立てて行動するのが苦手だったので1年を通して教育スケジュールを立てるのが苦痛でした。それに加えて研究の資料作成、アンケート作成、論文の手伝いなど、苦手分野が盛りだくさんで、休みの時にも病院に居ることが増えていました。
だんだんとストレスが増え、もう限界だと感じていました。
職場の先輩に救われ、結局辞めなかった
この時に「辞めたいと思っているのではないか」と察知した先輩が論文の負担を減らしてくれたり、新人教育がうまくいくようなアドバイスをくれたりして、なんとか持ち答えました。
先輩がいなければ間違いなく年度末で看護師を辞めていたと思います。
人間関係に恵まれていれば、相談もしやすく、異変にも気付いてもらえるので辞めにくいのではないかな、と思います。
3. 看護師7年目で、仕事に飽きて辞めたくなる
つぎに看護師を辞めたいと思ったのは、7年目のころ。
同じ病棟に勤めて5年目になっていた時でした。
この当時は整形外科病棟で勤務していて、術後管理などルーチンのように同じことの繰り返しの業務をこなしていました。
- 「つまらない」そんな気持ちがおこってきて、燃え尽き症候群のようになっていて、日々与えられた仕事のみを行っているといった感じでした。
駅から病院へ出勤途中、病院が見えてくるとそのまま帰りたくなるのです。
看護師長に「辞めたい」と言ったが…
「もう無理かな」と思い、師長に「辞めたいです」と電話をすると、
「そう言うと思っていた。最近おかしかったから」
「納得して辞めるのだったら賛成するけど、嫌で辞めるのなら許さない」
そういわれて、退職希望は保留になりました。
結局、異動を希望することで乗り切った
じゃあ、辞めないならどうしたらいいのか。そう考えた時に毎年聞かれる異動希望をタイミングよく聞かれたのです。
環境を変えれば何かが変わるのではないか、と思い、以前からやりたかった終末期病棟に移動願を出しました。
次の新年度から終末期病棟への異動が決まり、決意新たにすることで看護師を辞めることはありませんでした。
4. 看護師10年目で結婚し、看護師をついに辞めた!?
納得して辞めるなら前病棟の師長さんは許してくれる。
そう思いながら過ごし、納得する事態が起こりました。
「結婚」
そう。辞めるなら結婚退職以外はない、と心に決めていたので結婚が決まるまでは何があってもここで看護師を続けようと思って続けていました。
とうとう辞める時がきたのです。
心の中では「やった!これで辞められる!」
と思いました。
現場から離れることがストレスになった…
やっぱりしんどかったのです。
- 経験年数が上がるにつれて、臨床以外の仕事が増えてしまい、自分がしたい看護を行う事ができないストレスを感じていました。
その当時、業務委員、研究、学生指導、業務改善に向けての研究を抱えながら結婚の準備をしていました。
ストレスからメニエール病を短期間に2回発症しました。
暫く看護師はしない!と心に誓い、乾坤退職をし、なんとカメラマン助手という仕事についたのです。その後すぐに妊娠したため、出産後1年間は看護師の仕事はしていませんでした。
経験年数とともに仕事も責任も増え、それもストレスになる…
看護師を同じ場所で10年もしていると、誰もが辞めたいと思う事はあるのではないでしょうか。
- 仕事も責任も増え、患者さんの命に関わる処置などもこなすのでストレスは半端ないのです。
私のように全く看護とは関係のない仕事に就く人も少なくはないでしょう。
でも、看護の仕事はまた戻りたくなる何かをもっているのです。
5.パート看護師として復帰!しかしすぐ辞めた…
やっぱり結局、出産後しばらくして看護師に復職しました。
- 結婚、出産を経て、今度は美容クリニックでパート勤務を始めました。
人間関係は非常に良くて、スタッフ間はとても仲がよかったのです。
院長は女医さんで、さっぱりした人でした。
美容皮膚科という特殊な環境で働いていたのですが、美容に興味があったので毎日楽しく仕事をしていました。
スタッフはよかったのです。
クリニックの院長がポンコツだったので辞めた
が、院長が何かと人のせいにする人であることがわかり、その被害は私にもやってきたのです。
「患者さんに軟膏塗っておいて」といわれ。「○○ですか?」と聞くと「違うわ!△△よ!」と怒鳴られたのです。
指示の確認のつもりだったのですが、私が医師の指示を「自分は○○が良いと思います」といって、勝手に変えようとした!越権行為だ!と他のスタッフに言っていたことがわかり。
信頼することができず辞めることを決意したのです。
この職場は辞めてしまいましたが、看護師を辞めることはなかったのです。
6.今の職場に行きつくも、速攻で辞めたくなった
美容クリニックを辞めて、最後に行き着いたのは友人の紹介。
2人目を出産後、1年経つとみんなはバリバリ働いているのに私は取り残されている…。
と焦っていたころに、友人のご主人の友達のクリニックを手伝いに行ってあげてほしいと言われて、必要と思ってもらえるなら、と張り切って行った眼科のクリニック。
仕事が馴染まず、今すぐ辞めたくなる
手術室を手伝ってほしいといわれて行ってみると、半端なく忙しいクリニックで、やったことのない分野だったので「今すぐ辞めたい」と思いました。
こんなはずではなかった、自分はもう看護師歴10年以上経つのに、全く役に立たないのが悔しい。
こんなんだったら怒ってくれたらいいのに…。
3カ月の契約だったので、それだけ辛抱したらいいと、その思いだけでなんとか続けていました。
もういい、もう辞める。私には才能がない。
慣れない仕事も3ヶ月したら面白くなった
そう思っていたのに人間の脳は不思議です。3カ月もすると馴れてきて、面白くなったのです。
そしてもう10年位眼科の手術室で働いている訳ですが…。
看護師は「辞めたい」と思った時の対処法がたくさんある!
看護師は誰にでも代えがきくような仕事ではありません。
そして。
- 看護師は慢性的に不足しているため、病院側からするとできることなら辞めてほしくないのです。
したがって。
あの手この手で看護師が辞めてしまわないように、師長も病院側もいろいろと努力してくれます。
これって本当に素晴らしいことです。なぜなら普通の大企業だと誰か辞めても、代わりはいくらでもいるから。一般企業だと人が辞めようが別に痛くもかゆくもないのですよね。
辞めたいと思う原因別の対処法
すでに私の対処法について紹介しましたが、そのほかにもできることはあります。
辞めたいと思った時の対処法をまとめておきます。
その1。
- キツイ新人時代を乗り越える対処法
①同期と愚痴を言い合う
②誰でもいいからとにかく質問する
その2。
- 怖い先輩看護師への対処法
①指導をしっかり聞く
②胃薬を持つ
その3。
- 仕事が多すぎる、激務すぎる時の対処法
①1日のスケジュールを立てる
②腰痛予防を徹底!
その4。
- 彼氏や友人と休みが合わない、予定が合わない
①あらかじめ休み希望を取る
②夜勤明けをフル活用!
その5。
- 看取りストレスへの対処法
①看取りのない職場へ転職する
②ストレス解消方法を見つける
【参考記事】看護師の仕事が辛いと思う瞬間5つと、乗り越えるための対処法5つ
まとめ
看護師を辞めたいと思う事は、経験年数で全く違うということがお分かりいただけたでしょうか。
私の場合は結婚や出産をはさんでいるので、独身でずっと辞めずに働いている人とは違いますが、同じように悩んでいる人も少なくはないと思います。
その職場を辞めてしまう事はあるかと思いますが、結局看護師の仕事に戻ってしまうのです。
なぜ看護師の仕事を辞められないのか?の答え(私の場合)
私の場合は根本的に看護師が好きなんだと思います。
辞めたいと思っても、こんなことしたい、もっと技術を向上させたいと思ってしまうのです。
人間関係が良ければ、チームワークで行う仕事なので、同じ職場で長く続けることができると思います。
人間関係が悪ければ、やりたい科目で、人間関係の良いところで働けるように転職もできる強みもあります。
なにより、自分で考え、責任をとって行動できる達成感のある仕事だと私は思います。だから辞めないのだと思います。
一度立ち止まってみましょう
看護師を辞めたい、と思いながらここにたどり着いた人は、一度立ち止まってみてください。
そして自分はなぜ看護師になりたかったのか振り返ってみてください。
その思いは時が経ってもずっと続くものなのです。
その思いを胸に、さあ、頑張って仕事をしましょう!
辞めたいなら転職するのもひとつの方法
また「転職」もひとつの方法です。
看護師の需要は依然として高く、求人は山ほどあります。
- 夜勤が辛すぎる場合は、夜勤のない職場を。
- 仕事がハードすぎる場合は、ゆったりと働ける職場を。
- 病院以外で働きたい場合は、一般企業や保育園を…。
このように選択肢はたくさんあります。無理に辛い職場で、働き続ける必要はないのです。
私の同僚も何人かうつ病を発症しています。激務の看護師は皆、誰しもがうつ病を発症する可能性があるのです。他人ごとではありません。
数か月休職した後、再び病棟に戻った人もいれば、違う部署に異動した人もいました。もちろん退職し、クリニックで働き始めた人も。
看護師の活躍の場はいくらでもあります。くれぐれも無理はしないでくださいね。
以下オススメの転職サイトです。
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