社会人から看護師を目指したいというあなたのために。
20歳代後半から看護師を目指し30歳過ぎて看護師になった筆者が、
- 社会人を辞めてどうして看護師なったのかという理由と、
- 似たように看護師になりたいと考えている社会人の方に向けて転職のアドバイス
をしていきたいと思います。
予め断っておきますが完全に主観ですのであくまでも一つの意見として参考程度に留めておいてください。
目次
26歳まで飲食関連のブラック企業に勤めていた
まず少し私のことを話します。
そもそも看護師を目指す前までは飲食関係の職場で正社員として働いていました。
ですが、そこは今で言うところのブラック企業に近いものでオーナーのワンマン経営でした。
私は気に入られていたので実害はほぼありませんでしたが、他の社員への恫喝や給料未払いなどはよくある光景で、その度にやつれて辞めていく社員を見るのは心を痛めるものでした。
将来性もなく、現状を変えたかった日々
また、このままここで働いていても私自身の将来性は乏しく。
- 本当にこのまま仕事をしていて50歳60歳になってもしっかりと稼げて生活出来るのか?
- オーナーのような人間になってしまうのでは?
と不安になることもありましたので、とりあえず何でもいいので動いて現状を変えなければ!
と半ば強硬的に仕事を辞めたのが26歳のころ。
この時点で看護師になろうという考えがあったわけではありません。
さて、辞めたのはいいですが正直に言って次の仕事のあてもなく、特になりたい職業など目標もありません。しかしながら、それでも仕事をして収入を得なければとは漠然と考えていました。
逆に言えば生活さえ出来れば、どんな仕事でも良かったのです。そこで私は次の仕事を探すうえでどういう条件を満たせば自分にとって良いのかを書き出すことにしました。
看護師になった理由5つ
前置きが長くなりましたが、
それが看護師を選んだ理由に繋がっていきます。
以下にその時に書き出した条件を記載していきます。
理由① ほどほどに高く、安定した給料が見込める
私は実家に住んでおり、両親を養っていく必要がある立場にありますので、就職一年目、或いは就職して数年しか経たなくても比較的高い給料をいただける職である必要がありました。
あまりにも私的なことですので詳細を書く必要があるかわかりませんが月に30万~50万は欲しいと考えました。これが第一条件です。
理由② 免許・資格が必要な職であること
私は若い頃、海外旅行が好きでお金を貯めては海外旅行していました。今も機会があれば行きたいと思っています。
そのため仕事自体を辞めてもすぐ職が見つかる免許を必要とする仕事は魅力的であると思いました。
所謂「手に職」をというやつですね。
手に職さえ持っていれば普通に働く場合よりもお給料は良いでしょうし、稼ごうと思ったら掛け持ちも出きると考えていました。
免許があるということは需要があるという事ですから、ニッチな仕事もあるはずです。
何にせよ免許・資格が必要な職に就くことを条件として書き出しました。
また、免許が必要な仕事であれば外国での仕事の需要もあるかもしれないとも思いました。そうなれば海外にも行けるうえ、仕事でお金も貰えると一石二鳥になる。
- 免許・資格を取ることで今以上に仕事先の選択肢や収入が増えることは本当にメリットしかありません。
しかしながら免許・資格を取るとなると無料で、という訳には行きません。
何かしらの通信教育や学校に行く必要が出てくるでしょうから、取得しやすい。自分が必要経費を払える資格というのも条件に含まれることを忘れてはいけません。
これらを考えると私にとって看護師はとても魅力的な仕事でした。
理由③ 社会情勢の変化に振り回されない職業であること
昨今、資本主義が終わりに近くなっているといわれています。経済学は詳しくないのですが、資本主義の前提は先進国と発展途上国が存在することですから、その発展途上国が発展してきている今、資本主義が根本から崩れるかもしれないという話を聞いたことがあります。
リーマンショックもありましたね。
また、最近のアメリカの動きが穏やかではないです。中国と貿易戦争していたり何処とでも突っ掛かってきていたりして、第3次世界大戦が起こるのでは?とも囁かれています。
別に私はジャーナリストでも何でもありませんから、ここで世界情勢を語ろうとは思っていません。
ただ、社会が基盤から崩壊しそうな出来事がおこる可能性が昨今の世の中では十分に有り得ると言いたかったのです。私たちが老人になって天寿を全うするまでそういう人為的な大惨事が起こらないとは言い切れないのです。
何も人的な被害だけが社会を機能停止にするわけではありません。
日本においては今年、地震やら豪雨やらと災害が多くありました。関東大震災・果ては富士山大噴火もいつ来てもおかしくないと言われています。
- つまりは今の社会のシステムごと引っくり返るかもしれない現状で、もし社会が変わっても需要がある仕事に就きたいと思いました。
社会が変わっても変わらないものとは人です。
社会に生きるのは我々人です。どんな社会になってもそこは絶対に変わりません。
ですから、人間の精神や身体に関係した仕事に就くことが出来れば、ひとつの社会に依存せずにどんな社会であっても仕事の需要は間違いなくあると私は考えました。そのひとつの選択肢が看護師だったわけです。
理由④ 飽きない仕事であること
これは本当に個人的な理由です。私は高校生時代から色々なアルバイトや契約社員をやって来ましたが、仕事に慣れるとすぐに飽きが来て、飽きてくると仕事を辞めて次のアルバイトに切り替えてきました。
その経験上、仕事をしていても飽きが来ると辞めたくなる事がわかっていたので、一生の仕事とするなら飽きなそうな奥の深い職であってほしかったです。
極端に話せば。
工場でのライン作業など単調な繰り返しの仕事よりは職人が良い!ということです。
仕事に貴賤はないと言われていますしその考えは理解できますが、飽きるものは飽きるものです。しょうがないです。
仕事をすればするほど、その仕事の奥深さを実感していく仕事。
一生かかって飽きない仕事。職人の世界はまさに理想的でした。
この職人という線は結構捨てがたく、実際に職人募集している求人を調べたりして最後の最後まで候補に挙がり続けていました。看護師にはあまり当てはまらない項目ですけど…。
理由⑤ 看護あるいは介護の知識が欲しい
これは①と同様の背景で、私は両親とともに実家に住んでいます。
現在は両親とも健在ですが、このまま生活をしていけば今後両親は高齢者になっていって介護が必要になっていくだろうことは予想されました。
そしてその介護は一緒に住んでいる息子の私がやるべきだとも思いましたので、その時のために介護・看護の方法を知っておきたかったです。また、健康に対する知識を持てれば、病気になることなく両親と自分の健康な状態を長続きすることが出来る。
仮にもし、自分で介護が出来なくて、施設などに世話になるとしても良質な施設や病院を見分けるための視点や考え方などは知っておきたかったです。
そもそも施設を利用する際に使える公的な援助などがあるかどうかも知らなかったので、そこら辺の知識も概要だけでも知っておいた方が今後のために良いと考えていました。
すべての要件を満たす看護師が最適だと判断した
- 高く安定した給料
- 免許・資格が必要な仕事
- 社会情勢の変化に振り回されない仕事
- 飽きない仕事
- 看護あるいは介護の知識が欲しい
以上が新しい仕事を決めるための条件です。
あとはこの条件に見合う職業を探していけばいいだけ。
すべての条件を満たせそうな仕事が看護師だと判断しました。
何を重点としたか?
といっても「⑤看護あるいは介護の知識が欲しい」の影響が大分強いですね。最初は⑤を除いて考えていました。知識は欲しいですが、何もその職種で働かなくても独学で蓄えることが出来ますからね。
例えば「①高く安定した給料」を重点的に考えたとしたら不動産業とか、いまならIT関係になったと思います。
しかし、それなりにお金は稼ぐことは出来るでしょうが、自分の大切な人が病気になったりした時にその人の力になれない。ヤブかもしれない医者に頼らなければいけないという状況になるのではないか。と考えました。
「③社会情勢の変化に振り回されない仕事」の考えとも相容れません。
私は仕事よりプライベートを充実させたいタイプの人間です。仕事をしていて手に入れられる知識や経験をプライベートに生かせない職業にはあまり魅力を感じませんでした。
また、私のなかでは医療系に就職するにしてもしないにしても看護や介護の知識は勉強して手に入れていく予定でしたから、どうせ手に入れる知識ならそれを社会に還元して仕事とすることが合理的と思ったので医療系に進むことに決めました。
介護関連も候補に上がったが、高い給料を考えて看護師を選んだ
最初はヘルパー2級でも取って介護関係の仕事をしようとしていました。
しかし介護関係は激務なわりに給料が低く、むくわれない仕事だということを考えて却下。
実際に看護助手として働いてみた
あとは。
実際に看護助手として病院で働き、その時に看護師の仕事を見て決めました。
- 看護助手と同じような仕事なのに、看護助手より給料が高い=看護師
だったので看護師になれれば理想的かもしれないと思い「まだ20歳代だし何事も挑戦!」という事で看護師という職を選択しました。
最初から看護師を考えたわけではなかった
いままで看護師になろうとは一度も考えたことはありませんでしたが、看護師になると心のなかで決まった時は意外とすんなり受け入れることができ、目標として据えることができました。
これはどの職業に就こうか自分が納得するまで考え込んだからだろうと思います。
ですから皆さんも現在の仕事を辞めて転職しようと考えている場合、それが看護師になることに繋がらなくてもじっくりと考えてみて自分の価値観に合っているかどうかを吟味して欲しいです。
私のように現状の仕事に疑問を持っている方も同じで、今のままでいいのかを考えてみてください。
社会人から看護師へ!転職者へ伝えたいこと
あとはアドバイスというか。
社会人から看護師へ転職するのも一考に値する根拠をお伝えします。
看護師の需要は高まるばかり
看護師は今後もますます需要が高まる職業です。
日本が超高齢社会になって久しく、今後20~30年は高齢者の数は増えていきます。
深刻な医者不足という事情があるために看護師に医者の業務の一部を出来るようにさせて医者の業務上の負担を減らそうという案も出てきているそうです。
それらは全て看護師の需要が高まっていくことを示唆しています。
また、将来人工知能が発達していくにつれて医者はその職をAIに奪われていくと言われていますが、看護師は絶対にその職を奪われることはありません。
なぜなら人と直接関わる仕事だからです。患者の心の変化などを察して臨機応変に動かなければならない看護の仕事は人工知能にはまだまだ出来ません。
これらの事情もあり、看護師という仕事はその需要が日々高まっています。
さらに看護師として学んだことがプライベートに活かせる
そのうえ仕事で培った知識や技術はプライベートでも役に立つものです。
看護師として働いていく、或いは看護学生として勉強していく過程で様々な疾患に触れてその疾患を理解していくと思いますが、死因の上位のほとんどが生活習慣病という部類の疾患です。
これはその名の通り生活習慣が原因として発症する病気のことです。
具体的に挙げれば脳梗塞・心筋梗塞・糖尿病・COPD等で、皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?メタボも関連していることです。
日々の積み重ねが病気の原因となるということは…
日頃から健康的な生活を送っていければ疾患になるリスクを減らせると言うことです。
よくテレビ番組でもやっていますね。健康な食事法とか、効果的なエクササイズとか、一日一回これをすれば健康になるとか。
それらがより深く理解できるようになりますので、病気になりにくい生活をすることが出来るようになります。
健康は何ものにも変えがたい
健康を維持できるというのは生きていくうえでとても大切なことです。
それは自分自身に対してもそうですし、大切な人に対しても同じです。
現在の生活を健康という面から評価できる知識が持てるのは大きなメリットです。
皆さんがどのような理由で看護師への転職を考えているのかはわからないですが、社会人を経ている以上、看護師への憧憬など若い感性だけではないとも思います。
面接対策はしっかりと!
因みに余談ですが、上記のように私なりに考えて合理的に決めた看護師は、私にとってこれ以上無いといっても過言ではないほどベストな選択でした。
が。
周りの人は私の私的な事情など知りませんから、いまいち共感性に欠けます。
つまり看護学校や病院就職試験での面接ではパンチに欠けるという事態になる可能性があります。
「人の役に立ちたくて」「人から感謝されるのが嬉しい」「人の命を救いたい」など面接で他の人が言っているなかで「損得で選びました」と言えるわけもなく。
取って付けたような転職理由を言っていましたが面接官の反応は全て渋いものでした。
そこは私の表現力が乏しいこともありましたし、人に依るのでしょうけど思わぬ弊害でしたので余談としてここに書いておきます。
看護師になるまでは辛いが、なってしまえばメリットが多い
最後に。
看護師はなるまでが辛いですが、なってしまえばメリットが多い職業であると私は感じています。
だから転職を考えているのであれば真剣に考えて欲しいです。
一考する価値はあると私は断言します。
迷っているなら是非看護師になることに挑戦して欲しいです。
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