私が新卒ナースの頃は「なぜこんなにも仕事が出来ないのだろう?そもそも看護師向いてないんじゃないか?もう辞めてしまいたい…」と毎日のように考えていました。
そして看護師が100人いれば、99人は一番辛かった!と答えるであろう新人時代…。
しかし誰しもがこのツライ時期を乗り越えてきたのです。あの厳しい先輩も、気に入らない上司も、看護師長もすべて。辞めたいと思うほど過酷な新人時代を乗り越えてきているのです。
したがって。
- あなたにも決してムリではありません。確実に乗り越えられます。
そこで今日は。
新卒ナースが看護師を辞めたい!と考えてしまう原因ごとに、その対処法をお伝えします。
とくに新卒の看護師は悩みがおおくツライ状況になることが多々あるかと思います。私の新人時代の経験と、これまで見てきた新卒ナースの事例を参考にし、今後の仕事に活かして頂けると幸いです。
目次
最も辛かった?!過酷な新人時代
まずは私の新卒ナース時代の話をすこし。
今までの看護師キャリアの中でダントツに辛かったのは、看護師1年目の新人時代でした。
これは…私だけではなく看護師あるあるです。私の周りの看護師も、ほぼ同意見(笑)
看護学生の時もそれなりに辛かったですが、新人時代の辛さは、さらに数段上!
仕事を辞めることを本気で考えていました。
人手不足が深刻だった勤務先の病院
当時私が働いていた病院は、人出不足が深刻でした。4年目以上の中堅看護師が、数えるほどしかいなかったのです…。
同じ病棟に配属された同期は8人いましたが、専属のプリセプターはたった2人。すでにキャパオーバーです。
そのような状態だったので指導らしい指導を受ける余裕はありません。マニュアルを読み込み、見よう見まねで仕事を覚えました。
当然ミスは頻発します。
そのたびにきつく指導を受け、叱責され、患者を殺す気か!と怒鳴られ…。本当にきつかったです。
人手不足で残業多いのに新人は残業代をつけられない、という謎の文化
また。
当時働いていた病院には「タイムカード」がありませんでした。残業時間は自己申告制。
各々の名前が書かれた名簿に、自分で退勤時間を書きこむシステムでした。記載しなかった場合は「定時帰宅」とみなされ、当然残業代は発生しません。
しかし。
当時働いていた病棟には、新人は残業時間を申告してはいけない、という謎のルールがありました。
だから全てサービス残業!仕事は全く終わらず、いつも3~4時間残業していたというのに…。
今思い出しても非常に悔しいです(笑)
ツライ新卒ナース時代を乗り越えるために私がやったこと
看護師が100人いれば、99人は辛かった!と答えるであろう新人時代…。
そう、きっと誰しもが乗り越えてきたのです。
だから新人ナース時代を乗り切るためには、自分で動くしかない!
- メモ帳を必携!誰でもいいから質問する
新人看護師は、やること全てが初めてで不安ばかりですよね。採血や点滴はもちろん、吸引や座薬挿入、バイタルチェック…。患者と話す時でさえ緊張します。
「これで大丈夫なのかな?どうしよう…」と思いながら仕事をすることは危険です!
だからまずは深呼吸をひとつして、周りの様子を見渡してみましょう。そして勇気を出して、近くにいる先輩看護師に声をかけてください。気になる疑問や不安な点をぶつけましょう。
その際はメモをお忘れなく…。
- 同期と愚痴を言いあう!
私的にはこれが、最大の解決策です(笑)
もちろん、仕事が楽になるわけではないし、問題が解決するわけでもありません。でも、とても気分が楽になるのです!明日からも頑張ろう…という気分になるはず。
同期はいわば「戦友」です。辛い新人時代を乗り越える仲間です。
新人時代は遠い昔ですが、当時の同期とは今も仲良し。みんな住む場所も環境もバラバラになってしまったけれど、定期的に連絡を取ったり、同期会をしたり…。気分はあの頃のままです(笑)
- 上司に相談
どうしても辛い時は、病棟師長や主任などに相談しましょう。何らかの配慮がおこなわれる場合も少なくありません。我慢のし過ぎは良くありません。看護師として働ける環境は山ほどあるのですから。
例えば、日勤専従になったり、病棟を異動したり。より働きやすい環境を整えてもらうことができるので、今より楽になるはずです。
- 辛いのは1年間のみ!耐える!
極論なのですが…最も辛い新人時代は「1年間」で終わります。なぜなら、次の新人が入ってくるから…!
だから唇をかみしめて、耐え忍ぶことも方法のひとつです。
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さて前置きが長くなりましたが…
ここからは新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因と、その対処法をご紹介します。
原因1.自分のミスを振り返ってないために、何度も同じことを注意されて凹む
新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因その1。
- 自分のミスを振り返ってないことで何度もおなじことを注意されて凹み、結果として自分は才能がないとネガティブ思考になり辞めたくなるパターン。
看護師の仕事は、看護技術の他に医療的な知識も習得する必要があります。
それは教科書だけではなく実際見て経験することも大事です。
特に新人ナースの頃は先輩のフォローの元看護実践を行うため、間違いを注意されることがありました。
その注意された事を自身で振り返る事で、次同じことでミスはしなくなり看護師として独り立ちができます。
しかし注意されたことをそのままにしておくことで、また注意をされ「自分は何をやっても上手くできない」と落ち込んでしまいます。
ミスを繰り返さないためにできること
自分がそのような理由で落ち込んでいる人は、自分のミスをしっかり振り返っていますか。
自分の欠点やミスを受け入れることは自分にとっても辛いことです。
しかし。
ミスを認めて勉強し、自分に足りない部分を把握してそれを改善しようとすれば、看護師以上に社会人としての経験値も上がる事になります。
注意された=怒られたという認識ではなく、自分に足りない部分を教えてくれたのだと心にとめて、それを改善していく事が重要です。
で具体的な対処法は、
- メモ帳を必携し、注意されたことを書き留めておくこと!!
- 注意された内容が理解できなければ、その場で質問して解決しておくこと!!
たったこれだけです。
でも新人ナースは何かと忙しく、自分のことを振り返っているヒマが無いのも事実。メモをとっているヒマすらも無いかもしれません。
でもこれだけで次のミスをすこしでも防げるようになるのですから、必ず実践してくださいね。
ミスを防げるだけでなく、周囲の先輩ナースも「勉強熱心な新人だ」と認めてくれるでしょう。
原因2.物事を深く考えすぎて自己嫌悪に陥り、辞めたくなる
新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因その2。
- マジメすぎる性格ゆえに物事を深く考えすぎて自己嫌悪に陥り、辞めたくなるパターン。
仕事に対して失敗したり、先輩に叱られたりしたことで、長時間自分の中だけで考え込むと仕事自体が辛いと感じてしまいます。
新人看護師は先輩や師長から、日々なにかしら怒られます。
むしろ新人なのですから注意されるのは当たり前のこと。毎日振り返り翌日の業務に生かして、経験を積んでいく必要があります。
怒られたことについていちいちマジメに考えているとハゲますよ…。
対処法は3つ
- ①注意されるのは当たり前。重要なのはおなじ注意を何度も受けないように努力すること。
繰り返しになりますが、仕事になれていない新人は叱られて当たり前。いちいち考え込まず、次にどうやったら上手くできるかを考えるようにしましょう。
たとえばメモ帳に注意された内容を書いておき毎日振り返る、ということだけでも効果は絶大です。
- ②先輩看護師に注意をされたり、指摘されたことは自分の為と割り切る。
経験年数が上がれば上がるほど、他のスタッフに分からないところがあっても聞きにくくなります。
- ③叱られても自分だけで抱え込まずに、話しやすいスタッフに相談してみる。
もしかしたら自分だけで抱えていたものが他者と共有でき心の負担が軽減する事があります。
また相談する事で自分とは違った考え方ができたり、一人では勉強しても分からないことを教えてもらえたり、ヒントがもらえたりするかもしれません。
原因3.コミュニケーション不足でトラブルが多発し、辞めたくなる
新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因その3。
- コミュニケーション不足で、患者さんや先輩看護師との間でトラブルが多発し、結果として自分に看護師は向いてないと思い辞めたくなるパターン
看護師はコミュニケーション能力が求められる職業です。
筆者も人と話すことが苦手で、言葉足らずから患者さんとトラブルになったり、先輩に誤解を招くような発言をしてしまった事があります。
- しかしコミュニケーションは苦手でも絶対に克服ができます。「私は口下手だから看護師に向いていない」と絶対に諦めないで下さい。
コミュニケーション不足の状況とはどのような状況か、まず現状をしっかりと把握したうえで対処する必要があります。
そこで二つ例を出してその特徴をお話しします。
- 一つ目に、患者さんの必要な情報集ができない状況です。
このような状況になると、患者さんが何を伝えたいのか看護師として理解できないと思います。そうすると患者さんへ寄り添う看護という物が出来ません。
- 二つ目に、師長や先輩に「あなたは、これを何の目的でやっているの?」と、自分でも分からない事を質問された場合に黙ってしまうこと。これがコミュニケーション不足を生みます。
分からないことを正直に伝えて、後日その答えを伝える旨を話すことができれば良いのですが、ここで怒られてしまったと黙っていることがコミュニケーション不足となります。
黙っていることで、師長は相手が何を考えているのか分からないため指導もできない状況になります。後者の場合は、質問された事に対して自分がどのように思っているかを示さないと、次に相手から話しかけられる言葉が返ってこない為コミュニケーションが続きません。
このようなコミュニケーション不足から「あの子は何を考えているのか分からない」などと言われてしまう可能性があります。職場内で、他のスタッフからもこのような言い方をされると、仕事もしにくくなると思います。
コミュニケーション不足への全対処法
ではコミュニケーション不足には、どのような対応策があるのでしょうか。
恐らくコミュニケーションが苦手な人は自分でも分かっているはずです。
- ①患者さんと先輩や他のスタッフが、どのように話しているのか、その会話を聞いてみること
そして、自分なりに勉強してきた内容を付け加えたり、相手へ理解してもらえるような言い方に変えてみたりと、自分なりのコミュニケーション内容を確立します。
筆者はこの方法で患者さんとのコミュニケーションを苦なく行う事ができました。
スタッフ間や上司から話しかけられて、返答に困った際にはどうすれば良いでしょうか。
- ②分からないことは黙らずに素直に分からないと伝えること
その上でさらに「明日まで確認して答えられるようにする」「分からないので教えてください」「ここまでは理解しているが、ここが分からない」というように。
自分が今考えていることや、分からないことに対してどのように行動するのかを伝えます。
そうすることによって、相手もどのように返答するべきか明確になりコミュニケーションも続きます。
コミュニケーションが苦手な人には、失敗したらどうしようという気持ちがあるため、自ら発言することも少ないと思います。
また、そのような人は発表前には話す内容までしっかり確認してから話すという人が多いと思います。
しかしそうではなく。
- ③失敗を恐れずに人前で自分の意見を言う事を繰り返す事で、抵抗なく話すことができます。
まずは病棟会で進んで自ら発言してみましょう。私も話下手ではありますが、このような訓練を行ってきたことで、学会発表にも参加し人前で話す機会が増えました。
原因4.周りを見ていないことが原因で信頼を失い、辞めたくなる
新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因その4。
- 自分の周りの状況や、患者さんの病状の変化を見ていないことが原因で患者さんや先輩看護師・医師からの信頼を失い、結果として自分には向いてないとネガティブ思考になり辞めたくなるパターン。
これはコミュニケーション不足の内容と少し内容が重なる部分があります。
看護師は患者さんの体調の変化に敏感で、常に訴えを受け入れて患者さんに寄り添った看護を行います。しかし、周りに目を向けない人は患者さんの変化に気が付くことができない場合があります。
患者さんの変化に気づけなければ、看護などしようもなく患者さんからの信頼を失ってしまいます。治るはずの病気も治らなくなる可能性すらあります。
そのうえ医師や先輩看護師からの信頼も失い、「仕事を任せられない新人」というレッテルを貼られてしまうのです。
そうなると職場での居心地が非常にわるくなり、「自分なんていない方がいい」という思考になってしまうのですよね。
対処法は周囲に気配りし、コミュニケーションを欠かさないこと
「今日も怒られてしまった」と自分の中の負の世界に入り込んでしまうと、周囲の変化には気が付きにくいです。
- どんなことがあっても周囲への気配りを忘れず、コミュニケーションを欠かさないようにしましょう
例えば。
あるスタッフが髪型を変えた際にちゃんと声をかけていますか。
この話の内容は仕事以外の事かもしれませんが「髪切った?」「体調悪い?」「昨日ちゃんと定時で帰れた?」など相手を気づかう声掛けはとくに重要です。
医療の現場は個人プレーではなく、スタッフ間のチームプレーで成り立っています。
日頃から些細な変化にも気が付き声掛けできる人は、患者さんの病状の変化にも気が付けコミュニケーションもしっかり行う事ができます。
原因5.すぐに諦めてしまう
新卒ナースが看護師辞めたい!と考えてしまう原因その5。
- 何でもすぐ諦めがちで辞めたくなるパターン。
これはもう、どうしょうも無いですね。
新人であるにもかかわらず明確な理由もなく漠然と「キツイ、もう辞めたい」と考えているようでしたら、どんな仕事をしてもダメです。
あるいは。
うつ病になる一歩手前にいるため精神科医にいきましょう。
こればかりはメンタルの問題であり、何とかモチベーションを上げるしかない
看護師の仕事は、臨床で最低でも1年以上続けないとその仕事のすばらしさを感じることができません。
新卒1年は、社会人としても1年目です。
- 新人ナースのうちは看護や医療の知識と技術の習得以上に、社会人として大切な事を学んでいく必要があります。そのため辛くても「1年は頑張ってみよう」と思うことが重要。
1年目を乗り切って2年目、3年目になってくると、フォローがなくても仕事をこなすことが出来てきます。
ご安心ください。
先輩看護師もみんな通ってきた道なのですから。あなたに出来ないハズがありません。
そうすれば看護師の仕事もそれなりに楽しいと感じるハズです(違ったらそのときはお辞めください)。
しかし注意したいのが、医療現場でのインシデントは独り立ちした2年目から多くなります。これも先に述べたように自分のミスを振り返り、同じミスをしないよう次に生かしてスタッフ間で共有することが大事です。
小さなミスが大きなミスにつながらないようにしていく事が明日への業務へつなげることだと思います。
それが看護師の仕事です。
- すぐに諦めてしまうのではなく、明日挽回するといった心持が必要。何年たっても振り返りと勉強が必要な看護師ですが、それが積み重なる事で立派な看護師になれるのではないでしょうか。
繰り返しにはなりますが「この仕事をもう少し頑張ってみよう」と思い、仕事を続けることで看護師の仕事はやりがいを持てるようになります。※違ったらそのときはお辞めください…
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