「看護師って高級給取りでしょ~!いくらもらってるの~?!」
家族や友人に、こんな言葉をかけられた経験のある人も多いのではないでしょうか?
もちろん私もその一人です。
しかも…一度や二度ではありません(笑)
このように「高給」というイメージが強い看護師。
しかし、その給与の実態はあまり知られていません。実際はどの程度もらっているのでしょうか?
今回は気になる看護師の「年収」事情を徹底的にリサーチ!
知られざるその実態をお伝えします。
看護師の平均年収は?
- 看護師の平均年収は532万5324円
- 賞与の平均額は99万8271円
【出所】日本看護協会発表「2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査」、以降は省略。少し古いデータですがそう大きく変動ないものと思います。
ご自分の年収と比べていかがですか?
ちなみに私は、こんなにもらっていません(笑)
だからこの数字を見て驚きました…。みなさん意外ともらっているのですね…!
ただし、この数値はあくまでも平均です。
実際に調査データによると最も多い年収額は「400~500 万円未満」という結果に。その割合、実に23.5%。約4人に1人がこの年収帯でした。私もこの年収帯です。
ちなみにそれぞれの年収幅をまとめると以下のとおり。
- 「400~500 万円未満」23.5%
- 「500~600 万円未満」22.9%
- 「600~700 万円未満」15.0%
という結果が出ています。
もちろん働く医療機関や地域によって、実際の年収は大きく異なります。あくまでも参考程度にとどめてくださいね。
女性の平均年収より圧倒的に高い看護師の年収
あとは看護師以外の職種との比較として以下をご参考にどうぞ。
ほかの職種と比べても看護師の年収は高いことがわかります。
- (女性)正社員の平均年収 263万円
- (女性)教育/学習支援業の平均年収 309万円
- (女性)情報通信業の平均年収 307万円
- (女性)宿泊/飲食サービス業の平均年収 200万円
- 看護師の平均年収 532万円
【出所】厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
ということで明らかです。
正社員女性の平均年収が263万円ですから、看護師は2倍以上の平均年収となっています。
ただし。
上場企業の平均年収620万円には劣ります。
年齢別の平均年収
看護師の年齢によっても平均年収は異なります。
一般的には年齢に比例して、年収も増加していく場合が多いです。
勤続年数が長くなりますから、当然といえば当然ですね。
20代の年収
- 20~24歳 368万423円
- 25~29歳 435万7089円
新卒の看護師が多い20代前半は、やはり年収も少なめですね。
看護 3 年課程卒(看護専門学校や看護短大)の新卒看護師の初任給は、19 万 6368 円です。
仕事に慣れるまでは夜勤もなく、日勤がほとんど。そのため給与の大きなウェイトを占める「夜勤手当」も期待できません…。
しかし、一般的な新卒社員の平均年収は約200~230万円程度(厚生労働省データより)
それに比べると、やはり看護師の年収は多いですね。
私も新人時代に、高校時代の友人と「年収」の話をしたことがあります。当時の年収は約400万円。金額を言うと、確かにみんな驚いていましたね。
30代の年収
- 30~34歳 449万8275円
- 35~39歳 499万5847円
30代のベテランナースは、やはり年収も高め!
勤続年数が長くなる場合が多いので、自然と基本級もアップします。もちろん夜勤もフルでこなすことができるので、夜勤手当もしっかり入りますよね。
中には、昇進し、管理職となる人もチラホラ…。当然給与も上がります。
実際に、中間管理職の平均年収は643万8178円!なんと一般のスタッフよりも、100万円以上多いのです。
40代以上の年収
- 40~44歳 569万6510円
- 45~49歳 605万3379円
- 50~54歳 619万6624円
- 55~59歳 677万8556円
40代以上の看護師の年収は、なんと600万の大台越え…!
これには驚きですね。この時期になると管理職としてバリバリ働いている人も多いです。
また勤続年数が長い人も一定数いるため、基本給自体も高くなります。
しかし、これはあくまでも平均値です。特に40代の女性看護師の場合は、仕事と子育てを両立している人も少なくありません。そのため夜勤ができなかったり、転職を余儀なくされたりする場合もあります。
結果的に年収が下がってしまった…というケースもよく見られるケースです。
また給与アップを目指したい人は、できるだけ40代のうちに転職しましょう。定年目前の50代に入ると、求人件数自体がガクッと減ってしまいます。
就業場所別の平均年収
看護師不足が問題となっている現代社会。一方で、潜在看護師の数は、実に70万人以上とも言われています。
だから看護師は引く手あまた!活躍の場もどんどん広がり、病院やクリニックはもちろん、高齢者施設や保育園、さらには一般企業まで。いろいろな職場で働くことができます。
だからこそ「給与の差」が気になりますよね(笑)
総合病院(病棟勤務)の平均年収は483万円
病院で働いている看護師は94万4640人!
実に就業している看護師の61%に当たります。最も多くの看護師が働いている場所です。
中でも特に就業数が多い、病棟勤務に注目!年収を分析してみました。
病棟勤務の看護師の平均年収は483万5034円です。
ご自分と比べて、いかがですか…?
看護師の平均年収は532万5324円でしたね。
それには一歩及びませんが、これはスタッフの年齢層と関係が。
総合病院は20代の看護師が比較的多めです。そのため平均年収は、少し低くなったと考えられるのです。
病棟勤務の場合は「夜勤」がある場合がほとんどです。夜勤回数は4~5回/1カ月程度(2交替勤務の場合。病院によって大きく異なる)夜勤を行うたびに、「夜勤手当」が加算されていくので年収にも大きく反映されます。
また忙しい病棟の場合は「残業」が必要な場合も。その際は時間外手当も加算されます。
- 総合病院は「夜勤」と「残業」で年収アップが期待できる職場です。
- ただし引き換えに仕事はとてもハード…。
- 夜勤が多く不規則なので、生活リズムも乱れがちです。
でもその分、知識や技術もたくさん身に付けることができますよ。
クリニックや診療所の平均年収は401万円
クリニックや診療所で働いている看護師は、約32万人。看護師全体の21%です。外来業務が中心となる場合が多く、夜勤もありません。また残業も比較的少ない場合が多いです。
その分給与はダウンしますが自分の時間をしっかりと確保できますよ!
病棟勤務に比べ仕事とプライベートを両立しやすいので、子育て中のママや、趣味を充実させたい人にもぴったりといえます。
気になる平均年収は401万2225円です。ただし、これは「常勤」の場合の金額です。
- 夜勤がない分、病棟勤務に比べ、約80万円ほど低くなります。
クリニックや診療所の場合は「パート勤務」のスタッフも多いです。するとやはり気になるのは「時給」です。出来れば時給のいい職場で働きたいですよね!
クリニックのパートの平均時給は約1600円です。
厚生労働省の調査(平成28年賃金構造基本統計調査)によると、パートやアルバイトの平均時給は1,075円。
国家資格である看護師の時給は、一般平均よりも高めですね。
ただし時給は医療機関や地域によって、大きく異なります。時給の幅は非常に大きく1000円未満~2000円以上まで…!事前によく確認しておきましょう。
介護施設の平均年収は482万円
超高齢化社会を突き進む日本!毎年続々と新たな介護施設が誕生しています。
一口に介護施設といっても、デイサービスやショートステイ、訪問入浴まで、就業場所はさまざまです。求人数も非常に多く、まさに引く手あまたの状態といえるでしょう。
介護施設などで働く看護師は15万1,102人。全体の約10%にのぼります。
介護施設で働く看護師の平均年収は、482万3261円です(常勤、夜勤ありの場合)
特別養護老人ホームや老人保健施設など、滞在型の施設の場合は、病棟と同じように夜勤があります。その分夜勤手当が加算されるので、給与は病院勤務の看護師とほぼ変わりません。やはり夜勤手当は大きいですね…!
一方、デイサービスや訪問入浴など、日勤のみの職場も数多くあります。この場合の平均年収は、428万8520円です。
- 夜勤がない分、年収は下がります。
また介護施設でパートとして働く看護師も多いです。実際に介護施設のパートの求人は非常に多く、数百件ヒットする場合もあるほど…!
介護施設の平均時給は約1650円です。クリニックのパートの場合とほぼ同じですね。
クリニックと大きく違う点は、介護施設には「夜間アルバイト」が存在すること。当然夜間は時給もグーンとアップ!さらに夜勤手当も加算されるので、一晩働くだけで2万円…!などというケースも珍しくありません。
また介護施設の中には、「単発スポット勤務」が可能な施設も。実際に転職サイトには、介護施設の「単発アルバイト」も複数掲載されています。気になる方は、一度確認してみるといいでしょう。
年収UPを目指すにはどんな職場で働けばいい?
看護師における年収の高い職場には、いくつかの特徴があります。
チェックポイントは4つ!必ず確認しておきましょう。
- 夜勤がある
- 残業が多い
- 病院の規模が大きい!
- 自由診療を行っている
それぞれの項目についてくわしくお話ししておきますね。
年収UPポイント①夜勤がある
看護師の年収に最も大きな影響を与えるもの、それは「夜勤」です。
夜勤のある総合病院や介護施設の年収は約480万円。
一方で日勤のみのクリニックなどは約400万円です。
その差、実に80万円!意外と大きいですよね…!
年収UPポイント②残業が多い
忙しい病院は「残業」も日常茶飯事…。
その分「時間外手当」が加算されるので、当然年収も多くなります。
残業が多い科として知られているのは、
- 脳神経外科
- 循環器科
- ICUやER
などです。
いずれの診療科も急性期の患者が多く、重症度も高め。ケアに時間がかかるため必然的にカルテ記入の時間は取れなくなります。
さらに緊急入院や緊急オペなどのイレギュラーなイベントも多め。その分仕事量が増え、残業をせざるを得ない状況が多発するのです。
実際に、私も呼吸器の急性期病棟で働いていた時は、ほぼ毎日残業でした…。当時の時間外手当は1カ月当たり5万円ほど!
しかし全く疲れが取れず…非常に辛かったですね(笑)
つまり、看護師の職場においてラクで高給な仕事など存在しないということです。
年収UPポイント③病院の規模が大きい!
病床数の多い総合病院や大学病院は、年収が比較的高い場合が多いです。
例えば。
大学病院の場合は経営母体が「大学」なので、給与のベースが比較的高め。
さらに最先端医療を行っていたり、患者の重症度が高かったり…。仕事が濃密な分、残業時間も長くなりがちです。その分、給与はさらにアップします。
年収UPポイント④自由診療を行っている
自由診療とは保険が適応されない診療のことを言います。
よく見られるのは、
- 美容系のクリニックや、
- 眼科で行われる保険適応外のレーシック治療、
- 一部の不妊治療
などです。
保険が適応されない分、病院の収入は多くなります。その分、看護師の年収もアップしますよ。
中でも特に注目されているのは美容系クリニックですね。
努力次第では年収1000万円を稼ぎだすことも可能との話も…!
実際に美容系クリニックの求人のみに特化した、看護師転職サイトも存在します。
ご興味のある方は以下のサイトでご確認を!!
【公式サイト】日勤のみで30万円以上/美容外科求人ガイド
年収の低い職場とは?
年収の低い職場=年収の高い職場と「真逆」の職場です。
つまり、このような職場ですね。
- 夜勤がない、日勤のみの勤務。
- 残業が少ない。
- 病院の規模が小さめ。
- 保険診療のみを行う。
「この職場、すごく働きやすそう…!」そう思った人も少なくないのでは?
そのとおり!年収が低い職場は、その分、仕事の負担が少ないのです…!
プライベートと仕事の両立もなんのその。残業も少ないので仕事終わりの予定も立てやすいですよ。
さらに仕事の負担が少ない職場は、人間関係も良好な場合が多いです。女性が多い看護師にとって、人間関係は非常に重要ですよね(笑)
確かに年収は劣りますが、それ以外のメリットもたくさんあるのです。「働きやすい職場」を希望している人に、特におすすめですよ。
年収アップの方法はある?
もちろんあります!
年収アップを考えている人は、以下のポイントを押さえておきましょう。
① 働く場所を変える!
多少時間はかかりますが、最も簡単、かつ確実な方法です!
今の職場よりも、高待遇の職場へ転職しましょう。
- 狙い目は「大学病院や大規模の総合病院」
このような病院は、何と言っても基本給が高め!さらに福利厚生も手厚いので将来的にも安心です。
- 日勤のみで年収アップを目指したい人には「美容系クリニック」がおすすめ!
自由診療に力を入れているクリニックが多いので、年収の大幅アップも見込めます。
- 人口の多い都市部では、総じて年収が高め
また年収には「地域差」もあります。
年収の高い地域と低い地域では、なんと年収に100万円も差が出てしまうのです…!
主に東京近郊の首都圏や大阪近郊、愛知近郊など、人口の多い都市に転職することをおすすめします。
このような地域は看護師以外の職種でも給与ベースが高め。加えて地域手当が加算される場合も多いので、さらなる年収アップが期待できます。
一方、東北や九州、沖縄などの地方では、年収が低めの傾向が見られます。
② 資格を取得!
認定看護師や専門看護師などの資格を取得することで、資格手当が加算される場合も…!
結果的に年収もアップしますよ!
もちろん、看護師としてのスキルアップにもつながります。
③夜勤手当をチェック
看護師の給与の大きな比率を占めるもの…それは「夜勤手当」です。
- 日本看護協会の調査によると、1カ月当たりの夜勤手当の平均金額は37,992 円。
ご自分の夜勤手当と比較して、どうでしたか?意外と少ない…と感じた方もいるのでは?
それもそのはず。実は夜勤手当の金額は「病院によって異なる」のです。
みなさんご存知でしたか? ちなみに私は知りませんでした…!
そのため夜勤手当の金額には大きな幅があります。中には「10万円以上!」という病院もあるのです…!衝撃ですね。
また、夜勤の論点としてよく取り上げられる「2交代制か3交代制か」という問題。
夜勤手当のみにフォーカスを当てると軍配は2交代制に上がります。理由は簡単、勤務時間が長いからです。
2交代制は拘束時間が16時間程度と非常に長い…。だから夜間に働く時間も長くなり、夜勤手当もしっかりと加算されます。
私は3交代制も2交代制も経験しましたが、実は年収が多かったのは「3交代制」でした。なぜなら日勤はもちろん準夜でも深夜でも、必ず「残業」をしていたから…。
だから年収が多かったのです。
しかし3交代制は、肉体的にも精神的にも非常にきつく…。もう二度とできません。疲れ切っていたので、休日は寝て過ごすだけ。おかげで貯金は貯まりました(笑)
④ 管理職への昇進もあり
管理職へ昇進することで、年収の大幅アップが期待できます。
看護師全体の平均年収は、532万5324円でしたね。
いっぽう。
- 看護主任や看護師長などの中間管理職の平均年収は643万8178円です。その差およそ100万円!
さらに看護部長などの管理職となれば719万3631円です。病院によっては1000万円近い年収となる場合も…!実に200万円以上も年収がアップする計算になります。
しかし、管理職の人数は限られているので、希望者全てが昇進できるわけではありません。さらにある程度の看護師経験も必要です。狭き門でもありますが、チャレンジする価値は十分でしょう。
自分の年収と照らし合わせてみよう
看護師の平均年収は「532万5324円」でした。
こんなにたくさんもらえない…。
そんな方は、まず自分の給与明細書をよく確認してみましょう。
基本給はいくらでしょうか?
夜勤手当は?
地域手当は?
時間外手当は…?
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何かネックとなるポイントが見つかるかもしれません。見つけられたら、あとは簡単!その欠点を補うことができる職場を探せばいいだけです。
そのためには、まず求人情報を確認する必要がありますよね。
そんな時には、ぜひ「看護師転職サイト」を利用してみましょう。お好みの条件でぽちっと検索。簡単な操作で登録も完了。まさに忙しい看護師にうってつけのサービスです。
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